「ゲームばかりで勉強しない」「スマホを取り上げた方がいいですか?」
保護者の方からよくいただく相談です。今回は、塾で多くのお子さんを見てきた中で感じる、ゲーム・スマホとの向き合い方についてお伝えします。
はまっている子に見られる傾向
ゲームやスマホに依存気味のお子さんには、いくつかの共通点があります。
- 明らかな睡眠不足(授業中に眠そう)
- トイレ休憩などの離席が長い
- 休み時間に、やり直しより先にスマホゲームを優先する
こうした状態が続くと、集中力も定着率も下がり、成績に悪影響が出てきます。
「両立できる子」と「できない子」の違い
ゲームやスマホを持っていても成績が良い子はいます。その子たちとの違いは何か。
一番大きいのは、勉強で成功体験を得られているかどうかです。
勉強ができる子は、問題を解くスピードが速く、「解けた」「理解できた」という満足感を得やすい。勉強自体がある種の報酬になっています。
一方、勉強が苦手な子は、なかなか「できた」という感覚を味わえません。勉強は苦痛の時間が長く、報酬が遠い。そうなると、すぐに快楽を得られるゲームやスマホに逃げやすくなります。
つまり、ゲームにはまるかどうかは、意志の強さの問題ではなく、成功体験へのスピードと深さの問題なのです。
「線引き」の作り方
「スマホ禁止にすべきですか?」と聞かれたら、完全禁止より、明確な線引きをお勧めしています。
お子さんはまだ認知が発達途上で、自分の状況を客観的に把握できていないことが多いです。だからこそ、供給者である親御さんが枠を決める必要があります。
具体的な線引きの例
- 時間制限:夜は22時まで、または1日2時間まで
- 場所制限:自分の部屋ではなくリビングで使う
- タイミング制限:宿題が終わってから
「守れるライン」を本人と決める
ここで大事なのは、守ってほしいラインと、実際に守れるラインは別だということです。
親が一方的に「1日1時間」と決めても、守れなければ意味がありません。それどころか、「約束を破る」という習慣がついてしまいます。
本人と話し合いながら、「これなら守れる」というラインを一緒に決めてください。守れたら、少しずつ締めていく。この過程で約束を守る習慣が身につきます。
また、無制限で使いたいなら条件をつける方法もあります。「テストで○点以上取れたら」「内申点が○以上なら」など、供給者である親御さんが決められる範囲です。
勉強が「複利で効く」ことを実感させる
ゲームの報酬設計は圧倒的に優れています。正直、勉強がそこに勝つのは難しい。
ただ、勉強には長期的な複利があります。これをお子さんに実感させることが大切です。
小学生の場合
毎月の模試で偏差値が出ます。やはり数字が下がるより上がった方が嬉しい。この「上がった」という体験を積み重ねることで、勉強の手応えを感じられるようになります。
中学生の場合
進路情報を具体的に見せます。「この成績だと、これだけの高校が選べる」「今のままだと、ここは難しい」と、選択肢が増える・限定されるという現実を知ってもらう。
自分の努力が将来の選択肢に直結すると分かると、勉強への向き合い方が変わる子は多いです。
根本的な解決は「勉強の成功体験」
線引きや動機づけと並行して、勉強で「できた」という体験を増やすことが根本解決になります。
塾では以下のような工夫をしています。
- 簡単な問題から始める:まず「解ける」を体験させる
- 即時フィードバック:その場で正解・不正解が分かる教材を使う
- 進捗の可視化:ステージ制など、進んでいる実感を持たせる
ゲームがなぜ面白いかというと、「即座に結果が分かる」「レベルアップが見える」からです。勉強にも同じ要素を取り入れることで、ゲームに逃げる必要が減っていきます。
おわりに
ゲーム・スマホの問題は、取り上げれば解決するものではありません。
本人と一緒に守れるラインを決め、勉強の成功体験を増やし、努力が将来につながる実感を持たせる。この積み重ねで、お子さんが自然と勉強に向かえる状態を目指しましょう。
何かご不安な点があれば、いつでもご相談ください。